キャバ嬢をやめたい人が読む話 | キャバ嬢の辞め方と昼職転職先リスト

キャリアカウンセラーがキャバ嬢の退職方法、辞め方、ネクストキャリアの候補先をまとめています。

No:8_キャバ嬢を辞めて事務に転職する。

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もし、貴方が役に立つ人間だったとして、貴方を雇わなかった会社はどうなるでしょうか。言うまでもなく、その会社は競合との競争に負けて、潰れます。

 

そして役に立つ人間を雇わなかった無能な経営者には株主とマーケットから退場命令が出されます。

 

世の中に本質的な善と悪というものは存在しません。正しいか、間違っているかは環境が決めます。世の中の流れをコントロールすることはできません。しかし、世の中の流れに乗ることはできます。

 

考え方は色々とあるかもしれないが、おそらくこの考え方は間違いではありません。

 

自分でできることを最大限に行ったとしても、自分でできること以外はできません。

 

■事務職になりたいという声。

 

キャリア相談の際に「どんな仕事に就きたいですか?」と聞くと、事務職です。と答える相談者の方は非常にたくさんいらっしゃいます。

 

もちろん、これは水商売やナイトワーカーの方に限ったことではありません。新卒の大学生、フリーター、結構色々な人が、事務職で働きたいですとおっしゃります。

 

これ自体にいいも悪いも無いもありません。しかし、事務職になりたいです。と本気で考えるならば、材には必ず競合となる人材がいるということは知っておく必要があります。

 

そして、世の中には攻めの仕事と守りの仕事の2種類の仕事があるということを知っておかなくてはなりません。

 

 

■仕事の種類

 

・攻めの仕事

※概ね、開発・販売など。主に売上を上げる。儲けを創る仕事。

 

 ・守りの仕事

※概ね、事務・経理・法務など。主に経費を下げる、リスクを下げるための仕事。

 

 

まず、事務職というのは典型的な守りの仕事です。

 

そして、守りのポジションは本質的に少なければ少ないほうがよいです。機械化・IT化・AI化を駆使し、生産性を上げることに注力することが特に重要なポジションです。

 

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事務の仕事は少なければ少ないほうが良い。

つまり、事務職というポジションは、その数が本質的に少なくなります。少なくしようという力学、ベクトル、淘汰圧に常にさらされ続ける圧倒的に狭き門なのです。

 

もちろん例外はあるでしょうが、世の中は需要と供給のバランスによって決まります。事務の仕事はそもそもの需要が無いので、供給も求められないのです。

 

事務職に就くには、この圧倒的に少ない椅子取りゲームに勝つだけの実力を身に着ける必要があります。非常にハードルが高いポジションであると言えます。

 

■事務職の競合人材という考え方。

 

歌手になるためには、どれぐらい歌が上手である必要があるでしょうか。

 

クラスで一番歌が上手いぐらいのレベルでは歌手になることはできないでしょう。歌手になるには、普通に歌が上手いぐらいではダメ、最低でも学校で1番歌が上手であるぐらいが最低限のスタートラインでしょうか。

 

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企業間と同じく、人材も常に競争にさらされる。

 

 

これは、スポーツ選手でも同じことが言えるでしょう。

 

男性の例ではありますが、大谷翔平選手がピッチャーとしても、バッターとしても活躍することで、世界中を沸かせていますが、学生レベルなら、ピッチャーで4番打者という人も、それなりの人数が存在します。

 

イラストレーターなどでもそうでしょう。イラストレーター仕事はマーケットに用意されている椅子の数と、そこに座りたい人のバランスに圧倒的な差があります。

 

希望者に対して、空いているイスが不足している。という現象は頻繁に発生します。

 

有効求人倍率を見ると人出不足ではありますが、業界別で見た場合、有効求人倍率に偏りは存在します。

 

事務の仕事は歌手やスポーツ選手やイラストレーターのように人気職なため、事務職になるためには過酷な競争に勝つ必要があります。事務職になるのは狭き門なのです。

 

もちろん、やってみたい、なってみたい。という気持ちは非常に重要です。目標に向かって努力すること、これは非常に素晴らしいことです。結果的に認められなかったとしても、それに対して努力をしたという経験は何らかの形で多いに役に立ちます。

 

学生が部活をやるとき、仮に試合に負けたとしても、コンクールで入賞しなかったとしても、そのために努力をした経験は大いに役に立ちます。

 

これは、就職活動でも同じです。

 

仮に失敗したとしても、その経験は確実に役に立ちます。ましてや、世の中には圧倒的多数の挑戦すらしなかった人が存在するのです。

 

ただ、それを仕事にできるかというと、それは別問題です。

 

ポジションの数に限りがあるマーケットでは、物凄くたくさんいる競争相手から圧倒的に抜きん出る必要があります。これは、いいも悪いもない現実です。

 

■キャバ嬢を辞めて事務職になる。

 

ここまでの通り、まず事務職は性質として数が少なく、数を多くしようという力学が働きません。

 

また、BPOの会社など特殊な事例を除き、事務職しかいない組織は成立しない。事務職は狭き門です。

 

そのため、仕事を得るためには、競合となる人材から抜きんでる必要があります。

 

BPO(”Business Process Outsourcing” の略。会社の工程の一部を外部の協力会社へ依頼すること。いわゆる代行を専門に行う会社)

 

 

また、人間だけではなく、機械とも競合関係が発生します。

 

昔は、大抵の会社に計算手という仕事がありましたが、今は存在しません。

 

複雑な計算をするというためのポジションでしたが、今は、そういったポジションはエクセルが1つあれば解決してしまいます。

 

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昔は計算をするだけの仕事が存在した。今はエクセルが簡単にその仕事を行っている。



また、昭和の中頃ぐらいまで?タイプライターを使い文字を打つ、タイピストという仕事がありました。実際、タイピストは女性の憧れの仕事でした。

 

そして、パソコンが当たり前になった今では、タイピストという仕事はほとんど存在しません。

 

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昔はタイプライターを打つ専門の仕事が存在した。今は存在しない。


IT機器の発達とともに、事務職の仕事は激減しました。また、日本国内で行う必要のない仕事は、海外へどんどんオフショアをされていくでしょう。

 

仮に事務職で働くことができたとしても、そのポジションが明日も存在するかどうかはわかりません。そして、事務職のポジションは無くなる方向への淘汰圧が常にかかります。

 

そんな環境の中で、数多くの競合人材の中から事務職の人材として抜きんでる必要がありあす。これは、おそらく想像しているよりもはるかに厳しい世界です。

 

ここまで書いた中だけでも、これからの事務職に求められるスキルは、IT機器を使いこなすスキル、そして海外とやり取りをするスキルが必要となってくることでしょう。

 

さらに、海外とやりとりをするならば、日本語がネイティブである必要もありません。

 

日本語能力試験1級を持っているアジアからの留学生は沢山います。

 

多くの日本語学校では、日本語能力試験1級が”最低”ラインとなっている場合も多く、世界中に競合となる人材が存在します。

 

その中で抜きん出なくては、事務職にはなることはできません。

 

なんとなく楽そうだから事務職、という人は多くいます。しかし、実態として、事務職で働くためには、世界レベルの人材競争に勝ち、かつ、機械との競争にも勝ち続けなくてはなりません。

 

ようするに、事務職は何となく目指せるような楽な仕事ではないということです。

 

圧倒的な競争に勝ち、圧倒的なプロフェッショナリティがなければ就くことができない仕事なのです。

 

■何となく事務職を雇う会社は倒産する。

 

また、もしも、なんとなく事務職をやりたいです。という人を雇用している会社があったとしたら、そこが明確な弱点になります。

 

この場合の弱点とは会社自体の競争相手との競争です。

 

事務周りが弱い会社は、生産性の点で劣勢になり、その劣勢は価格や品質に転嫁され、企業間での競争に負けます。企業間での競争に負ける企業を株主は許さなく、その市場を虎視眈々と競合他社はチェックしています。

 

 

■事務職の競合人材に勝つ。

 

もちろん、大変な仕事だからよくない。ということでは全くありません。この世界は残酷だ。だが公平(フェア)なのです。

 

競合となる人材・存在に対して優位性を示すことができれば、そのポジションでマーケットから選ばれることはできます。

 

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この世界は残酷だ。しかしフェアだ。


もちろん、多少の運の要素はありますが。

 

これは、秘書や受付といった超人気職とも同じことが言えることでしょう。

 

なんちゃって秘書ではなく、ちゃんとした秘書とは、PCの使用は当たり前、英語も堪能、誰もが知っている有名大学卒、といった人達が競合、ライバルとなります。

 

競合となる人材よりも貢献をすることができるならば、運の要素はもちろんありますが、どんな仕事にも就くことはできます。

 

この世の中は残酷ですが公平です。そのためには、どんな場合でも、情報を正しく認識し、正しい方法で試行錯誤を繰り返す必要があります。

 

入手すべき情報とは、自分のことと、相手のこと、そして自分の競合のことです。

 

■どうすればよいか。攻めの経理事務。

 

何をもって事務職とするかの定義はいろいろとありますが、私がお勧めする方法は簿記2級以上を取り、経理の仕事をする事務職として活躍することです。

 

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事務であっても、攻めの経理「事務」というポジションの席は多い。

 

何故、経理事務の仕事がよいかという、主な理由は3点です。経理の仕事は以下の3点で投資であり、アウトソースしないことに意義がある仕事だからです。

 

 

 

・漏洩リスクの回避

※会計の仕事は、秘匿性が高く、漏洩した場合のリスクが高いため、外部に依頼しにくい。

 

・持ち逃げリスクの回避

※現金を扱う必要があるため、持ち逃げなどリスクを考えると、派遣社員や業務委託ではなく自社の社員で行うメリットがある。

 

※派遣会社の人が信用できないというわけではない、ほとんどの派遣会社はちゃんと業務を行っている。しかし、ベネッセの顧客情報流出事件の際、マーケットは派遣会社の人に顧客情報を持たせているということを問題視した。

 

・スピードの確保

※全ての経営判断は売上や利益といったファクト(事実)に基づき行う必要がある。経営判断のスピードはそのまま企業の成長スピードと直結する。前に、事務は守りの仕事だ。と書いたが、経営判断のための経理の仕事は攻めの仕事なのだ。企業が”投資”する価値は十分にある。

 

 

 

そして、経理の仕事は公的な支援を受けることで無料でスクールに通うことができます。

 

公的な支援というのは制度が頻繁に変わるため、もしかしたら、できないかもしれません。しかし、実際に専門学校などのスクールに連絡をしてみれば丁寧に教えてくれるでしょう。

 

まずは、行動してみることが何よりも重要です。

 

簿記のスキルは使わないと錆びます。昔、商業高校で簿記2級を取りましたという人よりも、昨日、簿記2級を取りましたという人のほうが即戦力性が高い場合も多いです。 

 

正しい経営戦略のサポートをする経理の仕事としての攻めの事務。誰かをサポートすることが好き、アドバイスをすることが好き。こういったことが好きならば攻めの経理のポジションに挑戦してみるのは非常に意味のあることです。

 

夜職でトレーニングしたコミュニケーション能力と会社の分析情報を基に、会社の成長に貢献していく。こういった姿の事務職こそ、キャバ嬢のネクストキャリアとして有望なポジションでしょう。