No:28_キャバ嬢を辞めて大企業の受付嬢に転職するにはどうするの?
大きな会社、大きなビルで受付嬢をする仕事というのは女性にとってあこがれの仕事の1つと考える人も多いでしょう。
実際、受付嬢というのは企業の顔であり、企業のイメージを具現化したビジュアルの女性が多く働いています。
企業の顔として受付嬢として働いてみたい、と考える女性は多いことと思います。
では、実際のところ、大企業の受付で働くにはどのような方法があるのでしょうか。そして、キャバ嬢のネクストキャリアとして受付の仕事というのはどのようなものなのでしょうか。
その2点を考えていきたいと思います。
■受付嬢の雇用形態
まず、受付嬢というポジションが存在するということは、大きなビルである必要があるため、必然的に中小企業ではなく、大企業での勤務になります。
そして、一般的に、大企業で働く場合というのは、受付嬢に限らず、雇用形態が直接雇用、いわゆる正社員雇用のパターンと間接雇用(派遣・業務委託)で働くというパターンが存在するということです。
・正社員雇用/直接雇用
※その会社の社員として働くパターン
・間接雇用(派遣・業務委託)
※別な会社にやとわれて、大企業で働くパターン
ここで、注意したいのは、自分の中でのキャリアイメージです。受付で働きたい人は、どのようなキャリアを考えているのでしょうか。
つまり、例えばトヨタならば、トヨタの社員になって受付で働きたいのか、受付嬢になることが優先なのかということです。
■大企業の受付課の人間として受付業務をする。
※大きなビルを持つ大企業の正社員として働くパターン。身分はその企業の正社員。
■派遣会社から派遣されて、受付業務をする。
※例えば警備会社。警備会社に所属して派遣されるパターン。所属は警備会社。
前者ならば、大企業に就職して受付課に配属されるというスキームになり、後者ならば例えば警備会社に就職するというスキームになります。
このうち、現実的なのは後者の警備会社パターンです。女子大生の時に一瞬だけキャバ嬢をしました、のような実質的に大学生の新卒採用パターンを除くと、現実的に大企業に正社員で雇用されて働くという可能性はほぼ無くなっており現実的ではありません。
■大企業に正社員就職して受付課に配属される。
私自身、大手の採用会社で新卒採用の現場に携わったこともありますが、大企業で働くためには、現実的に新卒採用のワンチャンスしかありません。
そして、新卒枠で大企業に入社をするパターンは、いわゆるナイトワーカーが就職していくルートとは全く異なります。
以下はざっくりとした日本の大企業への就職ルートです。もちろん例外もあるとは思います。
- 高校生の時
※とにかく大学進学。それも、ある程度の有名大学に進学すること。
※学歴フィルターは表向きには存在しませんが確実に存在します。企業によっては一定レベル以上の大学を卒業していないと、そもそも選考の土台に乗れない場合があります。
※もちろん、学歴フィルターの緩い企業もあるので、一概にいうことはできませんが、それでも誰もが知っている有名企業に就職したいなら、だれもが知っている有名大学に進学したほうがよいです。
※しかし、ここで最も重要なのは、大学の名前それ自体よりも、10代のうちから何かに対して一生懸命に取り組んだという経験を積むことです。スポーツでも芸術でも構いません。そのため、結果的に大学に不合格でも、優秀な成果を得られなかったとしても構いません。
※もちろん、これはあくまでも確率の話で例外はいくらでもあります。
- 大学1・2年
※とにかく、面接の際に話す内容を経験すること。
※企業の面接で聞かれるのは、大学時代に何を学び、どのように成長したかです。学業である必要はありませんが、自分の進みたい目標に沿った学生時代を戦略的に過ごすことが必要です。
※また、この時期に先輩から情報をヒアリングするなどし、3年・4年で何をするかの準備をする必要があります。
- 大学3・4年
※とにかく実際の選考活動に参加します。
※エントリーシートと呼ばれる履歴書のようなものを書き、SPIのような知能テストの対策、集団面接の対策など、各種の対策をしつつ、実践に臨みます。
ざっくりとした書き方ですが、このように、非常に長い道筋を経る必要があります。
もちろん、いわゆる女子大生キャバ嬢が、ナイトワークで培ってきたコミュニケーションスキルを使用して、御社で受付の仕事をしたいです。というストーリーを大学生活で辿るというのは無しではないかとも思います。
しかし、それをもって大企業から内定をとる、すなわち競合となる人材よりも抜きん出るレベルのコミュニケーションスキルを得ることができるのは、ほんの一握りでしょう。
確かに、そういう人も存在しますが、それはごくごく一部の例外で、その例外をもって皆もそのキャリアを選ぼうということを喧伝するのはよくないと考えます。
これを認知バイアスと言ったりします。極々一部のすごい人を全ての人に当てはめるのは非常に悪い行為と考えます。
※例えば、女性ですと「出産なんてたいしたことなかった」と言う人がいるとは思いますが、その発言を自分に当てはめるのは絶対にやめたほうがいいです。少なくとも産婦人科の先生はそんなことは言いません。それはプロとして非常に無責任な行為だからです。
人生のキャリアプランは徹底して現実的に考えていくことが大切です。
※受付課という課はおそらくないと思います。おそらく総務課か秘書課あたりでしょう。
■警備会社から受付嬢になる。
前述の通り、新卒のワンチャンスを逃した場合、大企業の受付課に配属されるのは現実的に不可能です。
では、キャバ嬢を辞めて受付嬢になることはできないかと言われると、そんなことはありません。具体的には警備会社に就職することです。
警備の仕事というと男性が行うガードマンのような仕事を想像されるかもしれませんが、それだけではありません。
一般的に警備会社というのは、六本木ヒルズのような大きな雑居ビルの会社と契約をしているため、併せて受付嬢のポジションも担当している場合があります。
また、自社の専用ビルを持つ大手企業であっても、受付部門というのは部分的にアウトソースされている場合があります。その場合、派遣社員として、その会社に配属されるというパターンがあります。
大企業が何故、新卒採用に拘るかと言えば、自社で人材を純粋培養したいからです。そのため、自社のコアバリュー(中心となる価値)以外の部分はアウトソースする場合が多いです。
そのアウトソース先として選ばれるのが警備会社になるので、警備会社に就職し、併せて発注される受付嬢のポジションで働くというのが現実的です。
※会社が買収や統廃合などで、結果的に大企業の正社員になるというパターンはあるとは思いますが、これは従業員が自分の意志でどうこうできる問題ではありません。
■会社からの評価よりも、社会からの評価
受付嬢という仕事自体はナイトワークで培ったコミュニケーションスキルを活かすことができる仕事なので、ナイトワーカーが活躍できる仕事ではあります。
また、ビルにいらっしゃったお客様をホスピタリティをもってお迎えする受付嬢の仕事は非常に重要な仕事です。
そして、受付嬢になること自体は、現実的な戦略を立てて行えば十分に可能です。
※ただし、直接に利益を生み出す仕事ではないので、稼ぐことは難しいでしょう。
そして、だからこそ、重要なのは、何となく受付嬢というように選んではいけないということです。
人生は長いです。いつまでも、何歳になっても活躍して、社会に貢献していくためには、そういったキャリアイメージを持ちながら就職・転職活動をしていくことが必要です。
会社に所属する場合は、その会社に所属することで、どのような長期キャリアの構築が可能かどうかを考えて会社を選ぶことが重要でしょう。