No:34_キャバ嬢を辞めたいが、家が寮・社宅のため辞められない時はどうするの?
いい高校に入学して、いい大学に入学して、いい会社に入る。このようなテンプレート的な人生のレールを一度外れてしまうと日本は非常に復帰が難しい国家です。
その難しさに拍車をかけているのが家の問題です。
外国の人、いわゆる不法入国の労働者の人ではなく、留学生として日本に来たというようなちゃんとした人でも、日本で家を借りるというのはそれなりにハードルが高いです。
そして、現実問題として、家がないと、日本ではまともな昼職で働くことがとても難しくなります。
さらに、家を借りるためには、保証人が必要だったり、最初にまとまったお金が必要だったりと、越えなければならないハードルが複数存在します。
たしかに、夜の世界が、夜職で働こうと考えている女性に対して、寮や社宅をワンストップで完備することで、従業員に対して働きやすい環境を提供しているというセーフティネットの役割を果たしているという事実もあります。
しかし、用意された寮・社宅にいるがために、昼職に転職するということが難しくなっているというジレンマも存在します。
今回は、キャバ嬢を辞めたいが、家が寮・社宅のため辞められない。というパターンについて考察していきたいと思います。
■寮・社宅に入りながら転職準備をすることは、とても難しい。
前回の、店長から引き留められるパターンと同じ鉄則ですが、転職活動は今の会社には秘密にして行うことがベターです。
例えば、転職活動では、サインが必要な書類のやり取り等もあり、ポストを使用します。
そして一般論ですが寮のポストは個人のポストであっても、会社が見ることができます。
もちろん、会社が個人ポストを見ることに法的・道義的な問題はありますが、できる/できないで言えば可能です。
つい、うっかり他人のポストを開けてしまって、偶然、中の手紙を読んでしまった。という主張をすることは不可能ではありません。
転職活動をしているということが、公になった場合、以前のエントリと同じく、お店は全力で食い止めにくることでしょう。
また、線引きが難しいところではありますが、寮や社宅という会社のリソースを使用しながら転職活動をすることは、仁義の無い話でもあります。
また、憲法に保障された通信の秘密の違反にもなるのですが、会社がその情報を入手しようと思えばできてしまうというオペレーションは上手な手とは言えません。
例えば、昼職で個人情報をUSBに入れて持ち帰る途中で無くしてしまう。というような不祥事が頻繁に発生しますが、そもそも、USBに入れなければ漏洩のしようがありません。
何かオペレーションを作る際には、注意してミスの無いようにするということではなく、そもそもミスを起こすことができないというオペレーションがよいオペレーションであると言えます。
昼職転職活動も同様で、会社にバレることがそもそも無い。という作戦を立てる必要があります。そのためには、寮や社宅に住むことは、仁義的にもオペレーション的にも良くないということがいえます。
つまり、転職活動は秘密裏に行うことが原則である以上、昼職に転職をしようと思った場合、まず、自分だけの家に住む必要があると言えます。
そして、そのためには、貯金が必要でしょう。家を借りる際にはそれなりに大きなお金が必要です。
■家を借りる障害は2つ
日本では、原則的に保証人がいない場合、家を借りることができません。また、定期的な固定収入が無い場合はさらに家を借りることが難しくなります。
そのため、以下のパターンに分けて個別に問題を解決する必要があります。
■保証人の問題
・保証人がいなくても借りられる家を探す。
・保証人を代行してくれる人(組織)を探す。
■定期的な固定収入の問題
・定期的な固定収入が無くても借りられる家を探す。
■保証人がいなくても借りられる家を探す。
今はインターネットで調べればわかる時代なので、検索すれば出てきます。大家さん的にはリスクが高い契約なので通常の賃貸よりも割高にはなります。
■保証人を代行してくれる人(組織)を探す。
個人的な人脈で保証人になってくれる人を探すことができない場合、保証会社を探す必要があります。保証会社の場合、営利目的で行っているところと、非営利で行っているところがあります。
お金が無い場合は非営利で行っている組織を探す必要があります。保証人、NPOなどのキーワードで検索をし、相談に行ってみましょう。きっと力になってくれると思います。
お金がある場合は株式会社などの営利団体に依頼することもできます。
結局のところ、手間とお金はトレードオフの関係になります。
■定期的な固定収入が無くても借りられる家を探す
これも、同様に調べるだけです。前述の住居支援NPOなどが併せて行っている場合があります。お金が無い場合は、非営利で住居支援をしている組織を探すことが必要です。
結論としてはお金を使って手間がかからない方向を選ぶか、自分で行うことでお金をかけないかということです。この場合も、お金と時間・手間はトレードオフの関係になっていると言えるでしょう。
相談だけなら無料でできる場合が多いです。自分で行ったとしても、相談をしながら行えば、手間や時間はかかりますが、大間違いをすることは無いはずです。
そのため、お勧めなのは、相談をしながら、自力で行うことです。
やるべきことは、絞り込めば、以下の3つしかありません。
・保証人がいなくても借りられる家を探す。
・保証人を代行してくれる人(組織)を探す。
・定期的な固定収入が無くても借りられる家を探す
また、大変かもしれないのですが、自分でやりきったという経験は大きな自信になります。
昼職も夜職とは異なる様々な大変さが存在します。その大変さを乗り越えるためにも、家探しを自力でやりきったという経験は役に立つでしょう。
労力を惜しまず行うことで、お金は相当節約できます。
■保証人の問題に関して、内定後のハードル
実は、保証人というのは、昼職転職時にも必要になる場合があります。
具体的には入社時です。一般的に昼の仕事では入社時に保証人を求められます。信用照会先と言ったりもします。
ここは、昼職の企業によって異なるので、連帯保証人のように重いものから、信用できる人かどうかを聞くだけの簡易なものまで様々です。
若い人が就職する場合、通常は両親などの血縁者が保証人になる場合が多いのですが、訳ありで夜職をしている場合、両親がいない場合、疎遠になってしまっている場合など、保証人が見つからない場合があるでしょう。
だからこそ、昼職に転職する際には、自分が夜職出身であることを正直に言っておく必要があります。
なぜなら、自分がナイトワーク経験者であることを事前に伝えておくことで、何かしらの柔軟な対応をお願いしやすくなるからです。
もちろん、自分の過去を隠しながら就職すると、仕事に対してパフォーマンスが低くなってしまうということは確かにあります。
しかし、それと同じぐらいナイトワーカーの昼職転職に於いて重要なのは、雇用契約締結時の保証人の問題であるとも言えるでしょう。
特に、訳ありで夜職をしていた場合、保証人の確保が非常に難しいです。しかし、事前にナイトワーカーであることを伝えておくことで、保証人の部分に関して、企業側に柔軟な対応のお願いをしやすくなる可能性は上がることでしょう。
そもそも、面接の際には今までの勤務先をお伝えすることは必須です。
確かに、軽微なバイトなどは、時と場合によっては割愛するということも確かにあります。しかし、ナイトワークで学べることは多く、むしろ、それをセールスポイントにすることによって、昼職人生で活躍できる可能性は高まります。
過去の事実を変えることはできませんが、経験に対しての意味付けは自分次第で変えることができます。
是非、面接の際には、ナイトワークで学んだことを使って活躍ができるという自己PRをしていきましょう。
昼職の会社さんは、どの会社さんでも、活躍して働いてくれる人を探しています。