No:24_キャバ嬢を辞めて社長秘書に転職する。
女性にとって、秘書として働いています。ということはある種のロールモデルに近いものがあることでしょう。
映画やドラマの世界に登場する秘書は、いつの時代も往々にして活躍する女性のシンボルとして描かれていることが多いです。
しかし、どのような仕事でもそうですが、映画やTVのが映し出す煌びやかな世界と、現実の世界は大きく異なります。
TVや映画の世界での田舎暮らしは美しいですが、現実の田舎暮らしは不便で、害虫や災害も多いです。人間の言う自然というものは、人間の好きな自然でしかなく、理想と現実には大きなギャップがあります。
これは、夜の世界も同じです。
TVや映画で描き出される夜の世界は、夜の世界の煌びやかな部分だけが過剰にクローズアップされ、現実のそれとは異なることも多いです。
もちろん、どのような仕事でもそうですが、煌びやかな部分があるのは事実です。
仕事に煌びやかな部分がなければ、多くの仕事はつまらない仕事になってしまいます。しかし、どのような仕事でも、煌びやかな部分とそうでない部分があります。
だからこそ、煌びやかでない部分であっても楽しんで行える仕事に就くことが仕事選びには重要になります。
秘書の仕事も同様です。TVや映画では、秘書の仕事は煌びやかな仕事として描かれることが多いです。
しかし、そこには多分に創作・フィクションの要素が含まれるでしょう。重要なのは、どんな仕事にも共通する普遍的なルールを把握することなんです。
今回はコミュニケーションスキル・傾聴スキル・共感スキルに長じたキャバ嬢が秘書に転職するための方法と活躍するための方法について考察していきましょう。
■社長秘書の仕事とは
まず、大前提として、会社の目的は利益を最大化することです。
会社組織では、どれほど美人であろうとも、会社の役に立たない人間は生き残ることはできない。これは、夜の世界でも同じです。
可愛いだけ、若いだけで、売上をあげることができない子は生き残ることはできません。
では、社長秘書というポジションで会社組織に貢献できることは何でしょうか。
まず考えられるのは、社長のパフォーマンスを最大化することです。
社長秘書の評価は、秘書がいる場合の社長のパフォーマンスと、秘書がいない場合の社長のパフォーマンスの差で判断されます。
人間は誰であっても時間だけは平等です。社長も社員も1日は24時間しかありません。
つまり、秘書の仕事は、社長が社長にしかできないことに時間を使うことができるようにするために、社長の仕事を完全コピーして代わりに行うことがあると言えます。
それでは、社長の仕事のうち、どのような仕事を優先的に完全コピーするのがよいでしょうか。
■付加価値の高い仕事と付加価値の低い仕事
そもそも、社長というものは一般的に給与が高いものです。
ここから、社長は付加価値の高い仕事をしているということがわかります。
社長は付加価値の高い仕事をしているから給与が高いといえます。
- 付加価値の高い仕事をする人 → 給与が高い
- 付加価値の低い仕事をする人 → 給与が低い
では、付加価値の高い仕事とは何でしょうか。それは人間にしかできない仕事、すなわち自分で考える仕事、いわゆる判断の仕事です。
与えられた仕事をマニュアル通りに行う。この仕事はとても大切な仕事です。ですが、そこにその人でなければならない判断の要素は存在しません。それゆえ、マニュアル通りに行う仕事というのは、本質的に給与が安くなりがちです。
また、判断の仕事の特性として、正解が何かわからないことに対して正解を出すということがあります。
1と2のどちらが大きい数値か。という問いには正解がある。2のほうが数値として大きいです。当たり前です。
正解が出せる仕事は、つまるところ人間ではなくコンピューターが行えばよいのです。そして、コンピューターに代替可能な仕事というのはコモディティ業務であり、コモディティ業務は代替が効くので給与が低くなります。
※例えば、弁護士の仕事であっても過払い金請求のような過去の判例をもとに粛々とマニュアルにそって行う仕事はマニュアルさえしっかりしていれば報酬が低くなります。
そのため、秘書の仕事は、社長のすぐ近くにある付加価値の低い仕事を代わりに行うことで社長が付加価値の高い仕事に集中できるようサポートするということになります。
社長がデータ入力に時間を取られている場合ではないのです。
■付加価値の低い仕事
・マニュアル通りに行う仕事
※誰でもできる仕事なので、コモディティ化する
・正解がある問題を解く仕事
※誰でもできる仕事なので、コモディティ化する
■付加価値の低い仕事を社長に代わって行う
また、社長の行っている付加価値の低い仕事。すなわち、だれがやっても結果が同じ仕事は以下のようなものがあります。
- スケジュールの管理
- 航空機・電車の手配
- 経費・領収書の計算
誰がやっても結果が同じだからこそ、ミスなく完璧に行うことに価値が集中します。秘書の第一の関門は、こういった誰が行っても結果が同じ仕事をミスなく完璧に行うことです。
こういった仕事は、成功しても利益が薄いが、失敗してしまった場合、損失が多大になります。もし、秘書のミスで社長が航空機に乗り遅れてしまったら、その損失は計り知れません。
つまり、秘書の仕事を行っていくためには「偏差値の高さ的な頭の良さ」や「細かいことを飽きずにミスなく行う」といった資質が必要になります。
この点が、キャバ嬢の子が夜の仕事を辞めて秘書に転職する上でネックになる部分です。
なぜなら、秘書の仕事は減点方式で判断される仕事であるのに対し、キャバ嬢・水商売の仕事は多少のミスがあったとしてもトータルでお客様に喜んでもらえればよい、という加点方式の仕事だからです。
■仕事の種類は2つしかない。
・減点方式の仕事
※ミスなく完璧に行うことが重要。1つのミスを取り返すのが現実的に難しい仕事。
・加点方式の仕事
※多少のミスがあっても、トータルでプラスになれば大丈夫な仕事
自分が直接行わない仕事でも、ミスなく行う。これが秘書という仕事に最低限求められる資質です。そのため、夜の世界のキャリアが活かしにくいです。
■キャバ嬢ならではの社長秘書
では、キャバ嬢の転職先として秘書という仕事はよくないのでしょうか。それは、必ずしもそうではありません、重要なのは、どのような秘書業務を行うかです。
キャバ嬢がナイトワークで培ったスキルは概ね以下のスキルに集約されます。
■キャバ嬢のスタンダードスキル
- コミュニケーションスキル
- 傾聴力
- 共感力
これらのスキルを活用して、社長の仕事をサポートするポジションを構築することで、キャバ嬢ならではの秘書というポジショニングを確保することが可能になります。
つまり、営業型秘書というポジショニングです。
昼職で秘書をして活躍をしている元キャバ嬢の仕事の内容は、管理人の知る限り、上記のスキルを使った営業型秘書というポジションです。
■営業型秘書
営業型秘書というのは、いわゆる弁護士秘書・税理士秘書・経営コンサルタントの秘書といったいわゆる「先生」と呼ばれるポジションの人をサポートしていることが多いです。
例えば、こういった「先生」の重要な仕事は以下の3つです。
どうでしょう。
例えば、弁護士の先生がその専門性を発揮する上で一番重要なのは、3番に書いてある、課題点に対しての専門的なアドバイスです。
これを行うには、多大な法律の知識が必要です。素人には到底できません。
しかし、1番と2番はどうでしょう。
いうまでもなく、夜の仕事はお客様との信頼関係を構築する仕事です。夜の世界は、可愛いだけで指名がもらえるほど甘い世界ではありません。
接客をする中で、お客様との信頼関係を構築しなければ、お客様に楽しんでもらうことなどできないのです。
また、2番のクライアントからの課題点のヒアリングも同じです。。自分の話したいことだけを話すキャバ嬢も夜の世界で生き残ることはできません。
夜の仕事で重要なことは、お客様の悩みや不安の聞き役になり、心の支えになることであり、それができる女性だからこそ、お客様に楽しい時間を提供することができるのです。
専門的な知識が必要な本当に難しい問題は社長の出番です。ですが、そういった多忙を極める社長を、ナイトワークで身に着けたスキルでサポートすることは可能です。
こういった、いわゆる先生と呼ばれる人の秘書が行なっているような仕事を社長秘書として行うことで、会社に貢献できる社長になることができます。
もちろん、働いていく中で、勉強をしていく必要はあります。今は、弁護士の資格だって夜間学校に通いながら得ることができる時代です。学ぶことに対しては真摯でなければいけません。
■まとめ
キャバ嬢を辞めて秘書に転職することは可能です。
しかし、その際、普通の秘書のように「ミスなく完璧に行うことをセールスポイントにする」ことはあまりお勧めできません。
なぜなら、そのスキルは減点方式の世界で役に立つスキルであり、ナイトワーク的ではないからです。
忙しい社長に代わり、お客様と信頼関係を構築し、不安点・問題点をヒアリングする。これがナイトワーク女性が秘書に転職するための、有効なストーリーの一つです。
もちろん、ミスなく、完璧に、ルーチンワークを行う。という仕事も秘書の仕事として重要であり、雇い主はこういった要素を求めている場合も多いです。
だから、秘書の仕事にエントリーする際は、どのような秘書なのかを確認しておく必要があります。ストーリーとして整合性が高いのはクライアントの不安をヒアリングして課題を解決する攻めの営業型の秘書です。
加点の世界のほうが、ナイトワーカーは輝くことができます。
※加筆。求人案件はあるにはあるので興味があるのでしたら、話を聞いてみるのもいいかもしれません。