No:13_キャバ嬢を辞めてアルムナイコンサルタントに転職する。
ナイトワーカーの皆様はアルムナイというワードを聞いたことがあるでしょうか。日本語に翻訳すると、職場の卒業生や同窓生ネットワークのように説明されることが多い言葉です。
日本ではあまり馴染みの無いワードではありますが、欧米や国内外資系企業ではこのアルムナイを積極的に活用し、ビジネスの成長の役に立てようという動きが広がっていいます。
また、昨今の働き方改革の進展を受け、日本国内でもにわかに盛り上がっているワード・概念でもあります。
そして、実はこのアルムナイを活用のコンサルティングを行うというビジネスはナイトワークで培われたコミュニケーション力・傾聴力などのスキルを活かすことできる仕事であり、ポスト水商売の仕事として有望な仕事の一つであると言えます。
本稿では、このアルムナイコンサルタントの仕事について深掘りしていきましょう。
■アルムナイの意義
アルムナイとは、いわゆる学校でいうところの卒業生同士の繋がりを、会社組織でも活用していこうという流れです。
ビジネスとしてアルムナイを活用していく以上、何らかの経済的利益が必要です。そうでなければ民間企業が扱うことはありません。
経済的利益とはイコール「数字」です。企業はアルムナイを活用することで、どのような「数字」を得ることができるのでしょうか。
■アルムナイの活用意義
1:アルムナイを採用活動に利用する。
飲食店は人手不足ですが、一般的に人気店は人手不足には陥っていません。もちろん、スターバックスやオリエンタルランド(ディズニーランド)といった人気企業は人材確保のための色々な手を打ち続けているということもあるりますが、人気のお店は人手不足にはなっていません。
理由は簡単で、良い価値を世の中に提供する会社は、顧客だけでなく、そこで働きたいという人を同時に集めることができるからです。
従業員として働くということは、顧客体験の一種であり、企業の戦略として授業員満足度を高めていく戦略は非常に有効です。
例えば、貴方が、ブラック会社で働いていて、精神を病んで退社した場合、友達にその会社ではたらくことをお勧めはしないでしょう。
むしろ、貴方は次の被害者が出ないようにブラックな職場であると正しく発信する必要があります。
逆に、貴方がとても楽しく働くことができたならば、その体験も貴方が正しく発信することは社会の為に有益です。
■誤解の無いように、ここでいうブラック企業の定義
人材を使い捨てる、戦略的ブラック企業と定義しています。
きつい仕事、ハードワークな会社をブラック企業という風潮もありますが、それは違うというのが私の考えです。
もちろん健康には気を付けるべきですが、自分自身の成長・幸せのためと、成長した自分の能力を社会に還元することを、ハードに行うことは悪いことではありません。
ブラック企業とは、会社のために、株主のために、社長のために、従業員を使い捨てる会社であり、従業員を嘘や恐怖で管理する会社です。
つまり、企業にとって宝の山なのは、ポジティブな就労体験を自社の「数字」に結びつけることです。口コミをコントロールすることはできませんが、口コミを効果的に活用することはできます。
「あの会社で働くと充実した日々を送ることができる」こういったポジティブなメッセージを効果的に発信することができれば、その企業は人材には困りません。
そのために重要なのが、その会社を退職した人達のポジティブな組織化です。今は1つの会社で永遠に働き続ける時代ではありません。人材の流動化はどんどん進んでいきます。
今まで働いてい会社を退職した後も、その会社と緩くつながり続けることで、子育て離職からの復帰や、就職の相談を受けた際の、「良い会社」の提案を発生させるための工夫としてアルムナイは有効な手法と言えるでしょう。
2:アルムナイを新規顧客の開拓に利用する
夜の仕事は一般的に店舗間の移動が激しいです。また、このブログを読んでいただいている方がいるということからも、永遠に夜の世界で働く人というのも多くはないでしょう。
事例としてはやや極端ですが、貴方は、昼の仕事に転職した後、同僚から「接待等で使えるよいお店をどこか知らないか?」と聞かれた場合、かつて自分が働いていた店を推薦しますか?
もし、推薦できないとしたら、そのお店は集客において大きな損失を出していると言えます。従業員満足度が低いがためにビジネスチャンスを逃しているからです。
悪い評判は簡単に広がりますが、よい評判を広げることは中々に難しいです。だからこそ、よい評判を拡散させるためには、いろいろな工夫が必要です。
人間は忘れる生き物です。退職者・卒業生にポジティブなメッセージを発信してもらい、口コミによる集客をしてもらうためには、定期的な仕掛けが必要です。その機能を効果的に行うのがアルムナイの役割の一つだと言えます。
■ナイトワーカーが行う理由
上記の理由こそが、まさにナイトワーカーがネクストキャリアとしてアルムナイコンサルタントを選ぶ理由です。
貴方がお店を移動したとき、又は、お店を移動してきた新人は、以前の勤務先について、どのような情報を発信していたでしょうか。
夜のお店は、コミュニケーションによって成り立っています。
そういった人間同士のリアルな声を、夜の仕事では実地で集めることができます。その意味で夜の世界は学びがいのある職場であると言えるでしょう。
よい評判は貯めるだけではダメなのです。
よい評判を効果的に拡散するというシステムを構築することこそ、アルムナイコンサルタントに求められることでしょう。
もちろん、守秘義務を果たした上で行わなければなりません。
■まとめ
よい評判であれ、悪い評判であれ、人間関係のグチ・悩み・喜び、そいった言語情報が夜のお店には多く集まります。
夜の仕事は、その流れに乗るための方法を、実践的にトレーニングできる職場であると言えるでしょう。
よい評判を効果的に起こす方法を意識して日々の業務を行うことで、一流のアルムナイコンサルタントとしての素地を作ることができます。