No:4_キャバ嬢を辞めてジュエリーリテーナーに転職する。
ナイトワーカーの皆さんは、自分で使うためのジュエリー(宝石)を買う場合、どのようにして買っていますか?
実はジュエリーというのは、電化製品や本とは異なり、実際に自分で商品を見てから購入するという、実店舗であることのメリットが非常に大きい商材の一つです。
そして、実際の店舗で店員さん、すなわちリテーナーの方から買うからこそ、ナイトワーカーとして培ったコミュニケーションスキルによって付加価値が生まれる業種と言えます。
今回は、キャバ嬢として培ったスキルを活用してジュエリー業界で働く方法。ジュエリーリテーナーとして活躍する方法について見ていこうと思います。
■ジュエリー業界(リテーナー)の種類
まず、ジュエリーの業界というのは、概ね以下の2種類に分類することができます。
■ジュエリー業界の種類
・自分使い用
・ブライダル用(催事用)
この二つで何が違うかと言うと、それはスポンサーです。
ブライダルならば、スポンサーは概ね男性側ですし、自分使い用ならば、スポンサーは女性です。そのため、お客様のタイプに合わせて売り方を工夫する必要があります。
リテーナーにとって必要なことは、お客様の立場に立って要望をヒアリングし、顧客が本当に欲しいもの、必要なものが何かを会話の中から見つけ、それを提案することです。
だからこそ、ナイトワークで身に着けたコミュニケーション力や傾聴力といったスキル活かすことができる仕事であると言うことができます。
■自分より年上の素敵なお姉さんから買う。
良いも悪いもない現実として、ナイトワークの世界では一般的に年齢は若いほうが有利です。しかし、自分使い用のジュエリーリテーナー、宝石販売員の世界では、必ずしもそうではありません。
例えば、自分が使う用のアクセサリーを買う時は、どのような気持ちで買うでしょうか?おそらく、そのアクセサリーを身に着けている自分をイメージして買っているはずです。
高い買い物であればあるほど、長く使い続けるため、遠い未来をイメージして購入します。そのため、無意識のうちに、自分より年上の素敵なお姉さんを探すことが多くなでしょう。
だからこそ、ジュエリーリテーナーには、ちょっと年上の素敵なお姉さんという役割が求められます。ジュエリーを購入する女性に対して、こういう風な女性になりたいという投影先として振る舞うことが、重要になってきます。
幾つになっても素敵であり続ける。ジュエリーリテーナーには、ある種のアイドル性が必要になってきます。
これは、ブライダルや催事用の場合、当てはまらなくなるパターンも多いです。なぜなら、まず、催事には催事ごとに細かなルールがあるため、必ずしも自分が良いと思うジュエリーを持つことができない場合があります。
また、ブライダルの場合はブランド名や価格が重要になる場合も多いでしょう。
しかし、自分使いならば、自分が一番良いと思うもの、安くて良いものを買います。
しかし、贈り物の場合はそうはいきません。いかに良いものであっても、最低限これぐらいは・・・という価格や、ブランドゆえの安心感というものが優先されるシーンは多くなります。
意外と思うかたもいるかと思うのですが、ビジネスの教科書ではよくある話です。
例えば最近ですと、大塚家具とイケアやニトリの対比の話が頻繁にでます。大塚家具で扱われている家具は贈り物なので、基本的には品質は「良くて高価なもの」が多いです。しかし、イケアやニトリで扱われている家具は自分使い用なため「安くて良いもの」が扱われている場合が多いです。
「安くて良いもの」ではなく、「高くて良いもの」を買う、というマーケットは確かに存在します。
また、ブランドそれ自体が優先される業界の場合、個人のスキルは活かしにくいです。
そういった商品はリテーナーのスキルではなく、ブランドの力で売れてしまいます。ブランドの力で売る商品の場合、リテーナーは大きな価値を発揮することはできません。そのためリテーナーへの報酬も低くなってしまいます。
■一流のジュエリーリテーナーの仕事。
前述のとおり、リテーナーとしてのスキルが必要とされるのは、現段階ではブランド力が弱いジュエリーです。
素敵だが、有名ではない。そういったブランド力が低いジュエリーに対してジュエリーリテーナーができることは沢山あります。
例えば、お客様の意見をヒアリングし、最高の一品を提案することでしょう。高いコミュニケーション力で、お客様自身が気が付いていないことを発掘し、提案する、そういったことができる優秀なリテーナーの需要は非常に高いです。
ナイトワークで培ったコミュニケーションスキルを活かすことができるナイトワーカーに向いている仕事でしょう。
そして、ジュエリーリテーナーのキャリアはそこで終わりではありません。お客様から聞いたマーケットの声には非常に大きな価値があります。
お客様の声を社内で共有することで、より魅力的な商品を開発することができるでしょう。
こういった作業を広い意味でマーケティングと言います。マーケティングのスキルを習得することで、商品企画者として別なステージに進むことができるでしょう。いっそのこと自分でブランドを立ち上げるのもよいかもしれません。
■一流リテーナーになるために。
どのような業界であれ、お客様は自分が求めているものをはっきりとは言えないものです。逆説的ですが、自分が欲しいものをはっきりと言うことができるなら、通販で購入すればよいです。
人気漫画の最新刊を街の本屋さんで買う必要性は少ないです。しかし、新しい本との出会いは実際に本屋さんに行ってみないと難しいでしょう。
リテーナーが価値を発揮できるのは、そういう風に自分自身の欲しいものが今一つ理解できていないお客様の声なき声をはっきりと形にすることです。
そして、ジュエリーの世界はこの特徴が顕著でしょう。ほとんどのジュエリーはこの世に1つしかないものであり、選びがいがあるものだからです。
■今のうちからできること。
ジュエリーリテーナーになるために、今できることは自分の声をはっきりと形にすることです。
具体的には、自分の持っているジュエリーを気に入っている理由を言語化することです。
「何となく可愛い」という感性は確かに非常に重要なポイントです。しかし、それだけでは仕事としてやっていくのは難しいでしょう。ジュエリーリテーナーとして必要な力は共感する能力だけでなく、共感を言語化する能力も必要だからです。
自分の好みと違うものが好きなお客様も当然いるはずです。そのお客様に対して、お客様自身も気が付いていない心を具現化するのがジュエリーリテーナーとしての重要な仕事です。
それには、自分を客観視した上での共感が重要でしょう。しかし、その場合であっても夜の世界でトレーニングをすることは可能です。
苦手なことでも、得意なことでも、理由付けを行う訓練をすることで、本当の意味でのプロフェッショナリティを習得することができます。
好きなことを好きと言い、嫌いなことを嫌いと言う。この感性は確かに重要です。しかし、感性だけで仕事をしているうちはプロとは言えません。
感覚の部分に対し、何故そう思ったのか?を明確にすることで、経験が蓄積され、プロフェッショナリティが高まります。
■会社に勤務するか起業するか。
ジュエリーリテーナーの仕事の本質はサービスですが、物販業である以上、モノそれ自体の仕入れのための費用が必要です。そのため、自分で起業するということは難しいでしょう。
そのため、お勧めの方法は、有名ではないが自分が本当に好きなブランドを見つけ、そこの従業員として働かせてもらうことです。
もちろん、何故、そのブランドのジュエリーが好きなのか、ちゃんと言えるようにしておく必要はあります。
この行為をいわゆる就職活動では業界研究と言ったりします。
■その他必要なこと。
追加で一点、ジュエリーと他の商材との明確な違いは、高額な商品であるということです。
つまり、会社に雇用されているリテーナーとして働く場合には、持ち逃げなどをしない人であるという社会的な信用が見られます。
信用は積み重ねるものです。常日頃から信用を積み重ねるということを念頭において毎日を過ごすことも非常に大切なことでしょう。